息子1型糖尿病になる③

インスリンのイメージ 1型糖尿病

1型糖尿病発症当初は遅効性のインスリンを提案された。
遅効性なら1日ダラダラと効いて自己注射も朝打てば良いからだ。
学校での自己注射に抵抗があった私はその提案にのった。

本来は、遅効性+即効性を打つのが王道だ。
ただその頃は、自分の生活に自己注射を取り入れることが出来なかった。
なんとなく、自分の病気を受け入れられなかったのだと思う。

周りの人は、普通に生活し、好きなものを食べ、好きなものを飲んで。。。
羨ましかった。
自分が恥ずかしかった。

担当医師のおかげで、入院時の血糖コントロールは安定し、あとはカロリー制限で調整する事になった。退院だ。

中学生で育ち盛りの私に与えられたカロリーは1日2200カロリーであった。
全然足りない。
部活もあるし、とにかく腹が減った。

友達と同じように買い食いし、ジュースも飲んだ。
親に隠れてお菓子も食べた。

当然、血糖値は安定しない。
月に一度の検査が憂鬱であった。
医師から注意されても聞こうとしなかった。

そのうち親に薬だけ取ってくるよう頼むようになり、
学校も休みがちになった。
今で言う「ひきこもり」状態だ。
今思えば若干「鬱状態」だったかもしれない。
自分の病気が恥ずかしくて人と会うのが嫌だったのだ。

ただ、勉強はした。とは言っても教科書を読むだけだが、
工業高校に行きたかったし、何より暇だったのだ。

友達が毎日のように遊びに来た。
その頃からタバコを吸うようになり、親も見て見ぬふりをしていた。

「毎日が早く過ぎればよい」そんな風に思っていた覚えがある。

専門学校へ進学が決まったころ、担当医師も代わった。
行きつけの病院に「糖尿病専門外来」が出来たのだ。

新しい担当医師に遅効性+即効性を打つよう提案された。
注射も注射器タイプからペンシル型(下図)に代わり、利便性がよくなった。
一日に4回打つようになり、血糖値も安定した。

嬉しかった。

自分でも「やれば出来る!」と感じた。

ただ、低血糖と言う新たな悩みも増えた。

つづく。

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